2月28日の金曜上映会〈いのちの神秘、ミクロの宇宙:樋口源一郎〉

今回の金曜上映会は、生物進化の謎を追求し、90年代後半まで現役を続けた科学映画の巨匠・樋口源一郎監督(山形県天童市出身)を特集します。蜂が舞い、きのこが踊り、粘菌が脈打つ。私たちの頭上や足元にあるミクロの宇宙への旅をどうぞお楽しみください。

14:00- 19:00-(2回上映)

『女王蜂の神秘』
1962/16mm/33分
『細胞性粘菌の生活史』
1982/16mm/15分
『細胞性粘菌の行動と分化』
1991/16mm/21分
『真正粘菌の生活史』
1997/16mm/28分

[協力:天童市立図書館]

 

『女王蜂の神秘』(写真提供:桜映画社)

『女王蜂の神秘』作品紹介:

女王蜂を中心に数万匹が一糸乱れぬ秩序を保つミツバチ社会を解析する。情報伝達の手段であるダンス、仕事の分業体制、スズメバチとの闘争などから、あたかも社会全体でひとつの生物のように活動する姿を克明に記録していく。

 

『女王蜂の神秘』(写真提供:桜映画社)

 

『真正粘菌の生活史 —進化の謎・変形体を探る—』作品紹介:

10億年前に地球に発生し、巧みな方法で環境に適応してきた真正粘菌。変形体のリズミカルな原形質流動など、肉眼では見えない粘菌の動きを顕微鏡撮影で捉える。微生物の不思議な世界を観察し続けた樋口が91歳で完成させた力作。

 

16:00-(1回上映)

『微生物の実験』
1970/16mm/20分
『きのこ —シイタケ菌を探る—』
1980/16mm/20分
『緑なる大地を創る —菌と植物の共生を生かして—』
1995/16mm/24分
『菌と植物の共生』
1999/16mm/28分

[協力:天童市立図書館]

樋口源一郎

1906年3月14日、山形県天童市生まれ。銀行に勤務しながら明治大学夜間部を卒業する。その後画家を目指し木村荘八のもとでルネッサンスを学ぶ。寺田寅彦の映画論を読んで芸術と科学の問題に興味を持ち、30代で映画界入り。1942年『空をまもる少年兵』を初監督。以後、最新作の2001年『きのこの世界』まで約60年間、90代後半まで現役の映画作家として活動を続けた。生物進化に関する未知見を微速度撮影で解明する映像研究で知られ、細胞性粘菌の細胞分化のメカニズムを追求した「映像論文」は世界的な評価を得ている。100歳の誕生日を目前に控えた2006年2月23日逝去。

主な作品:空をまもる少年兵(1942)、長崎の子(1949)、白旗ぢいさん(1952)、声なきたたかい ―まつけむしの一生―(1955)、佐久間幹線(1956)、進みゆくビタミンB1(1958)、たのしい科学(1958~60)、カメラとシャッター(1960)、女王蜂の神秘(1962)、M.I.B.マシン(1964)、四国 ―自然と伝統―(1965)、雨に考える(1966)、生命の流れ―血液を探る(1967)、奈良・大和(1968)、浮世絵(1969)、微生物の実験(1970)、街道に残る文化財(1974)、東ドイツの旅(1975)、岩礁に築く ―伊方原子力発電所建設記録―(1978)、きのこ(1980)、細胞性粘菌の生活史(1982)、野中兼山 ―流れる河は生きている―(1987)、弘法大師・空海(1988)、細胞性粘菌の行動と分化(1991)、真正粘菌の生活史(1997)、菌と植物の共生(1999)、きのこの世界(2001)

 

[会場]山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー試写室
[料金]鑑賞会員無料(入会金・年会費無料)
[主催]認定NPO法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭
[問い合わせ]電話:023-666-4480 e-mail:info@yidff.jp