12月13日の金曜上映会〈香港、台湾、2014〉

今回の金曜上映会は、香港と台湾に焦点を当て、真の民主主義を求める運動の様子を捉えた2作品を上映します。香港「雨傘革命」の闘いの現場を追い、活動家たちの揺れ動く思いを見つめる『革命まで』。中台サービス貿易協定の撤回を求めて学生たちが台湾立法院を占拠。複数のドキュメンタリー映像作家たちが様々な角度からこの「占拠」運動を包括的に捉えた『太陽花(ひまわり)占拠』。まさに現在進行形で揺れ動く民主主義を求める運動の現場を映した貴重な2作品です。

『革命まで』 14:00-(1回上映)

『革命まで』

山形国際ドキュメンタリー映画祭 2015 アジア千波万波特別招待作品

監督:郭達俊(クォック・タッチュン)、江瓊珠(コン・キンチュー)/香港/2015/174分

作品紹介:

香港で民主的な選挙を求め不服従を呼びかけた「セントラル(金融中心街)を占拠せよ」運動は、思いを同じくする多くの学生や市民を巻き込み、その動きは2014年、「雨傘革命」として世界に広く知られるところとなった。本作は、運動内での議論、路上アピール、市民投票、学生らが主体となった政府庁舎前での抗議など、闘いの現場をつぶさに追い、渦中にいた7人の活動家たちの揺れ動く思いを見つめていく。

 

『革命まで』

監督のことば:

「革命」と呼ぶ人もいれば「大袈裟だ」と思う人もいる。「革命」の定義についての議論に結論はない。しかし民主主義を求めた香港の人々のこの闘いが、歴史的な出来事であることに疑いの余地はない。ドキュメンタリー作家として、自分が構えるカメラのすぐ前で展開する出来事が、まさに歴史そのものなのだと気づいた時、複雑な気持ちがこみ上げてきた。二人だけのチームでこの出来事を詳細に記録するのは限界があり、困難を極めた。それでもこの作品が、香港に真の民主主義をもたらそうとする人々をとらえ、今後の議論に貢献できることを祈っている。

郭達俊(クォック・タッチュン)

 

『革命まで』

「雨傘運動」が社会に与えた衝撃は、徐々に日常生活から薄れてきている。しかし私の脳裏には未だに劇的な場面が浮かんでくる。悲しい場面もあり、歓喜に満ちた場面もあった。この映画プロジェクトに関わっていなかったら、「雨傘運動」の受け止め方は変わっていたかもしれない。私にとってドキュメンタリー映画を制作することは、コミュニケーションと発見をしていく過程だ。活動家と話をし、その話を聞くことによって、この運動の複雑さと、その原動力について学ぶことができた。だからこそ「雨傘運動」の中で起きた衝突や決定の揺らぎをより深く理解し、受け止めることができたのだった。ドキュメンタリーとは、未来のための記憶でもある。私は、自分たちの時代を記憶に留めておく必要のある年齢になった。この作品が、79日間におよんだ占拠のなかで満ちあふれていた希望、香港で真の民主主義を達成するための長い道のりの、痕跡となることを願っている。

江瓊珠(コン・キンチュー)

 

『革命まで』

 

『太陽花(ひまわり)占拠』 18:30-(1回上映)

『太陽花(ひまわり)占拠』

山形国際ドキュメンタリー映画祭 2015 アジア千波万波特別招待作品

監督:太陽花運動映像記録プロジェクト/台湾/2014/120分

作品紹介:

2014年3月18日、中台サービス貿易協定の撤回を求めて学生らが台湾立法院に突入、以後24日間にわたり議場占拠が繰り広げられた。立法院内の議論、床に寝泊まりする日々、NGO団体・学生・支援者らの抗議活動、権力側の暴力への抵抗は膨大な量の映像として記録され、それらは1988年の520農民運動や90年の野百合学生運動とも重ね合わせられる。家族に反対されながら参加した学生たちの声、研究者や警察官の告発……。作品には多くの独立系映像制作者が参加し、様々な角度から占拠を包括的に捉えている。

 

『太陽花(ひまわり)占拠』

監督のことば:

若者たちが、通用口から台湾立法院に突入したことで、底なしのブラックホールへの扉が開かれた。民主主義とは、そのブラックホールのように、つかみどころのないものだったのだ。それまで民主主義のシステムを享受してきた世代が、民主主義が奪われようとしていることに気づき、それを取り戻すべく奮闘する。この映画は、若者による太陽花占拠の運動、およびこれら若い運動家たちが、どのように民主主義と正義の価値を再考察したかを追った、涙と笑いの記録だ。

ドキュメンタリー映像作家たちは、「占拠」運動の英雄たちの物語を伝え、彼らが群衆を前にして感じた不安を描き、民主主義に向かいあっていかに無力だと感じたかを明らかにしようとカメラを撮ったのだった。

太陽花運動映像記録プロジェクト
本作は台北ドキュメンタリー・フィルムメーカーズ・ユニオンにより制作された。同ユニオンは2006年に、ドキュメンタリー映画作家らによって正式に設立された、台湾初の独立系映像制作者の労働組合。制作者の労働基本権を守り、労働基準改善に力を注ぎ、ドキュメンタリー界の発展に寄与することを使命とする。本作は、同ユニオンが支援した初の共同プロジェクト。製作総指揮は賀照緹(ホー・チャオティ)と蔡崇隆(ツァイ・チョンロン)。監督は傅榆(フー・ユィ)、王佩芬(ワン・ペイフェン)、陳育青(チェン・ユィチン)、蔡崇隆(ツァイ・チョンロン)、蔡静茹(ツァイ・チンルー)、黃兆徽(ホアン・チャオフイ)、李家驊(リー・ジアホア)、李惠仁(リ・ホイレン)、周世倫(チョウ・シィルン)。100人以上が本プロジェクトに関わり、資金は主にネットで集められ、3,154人の支援者から寄付を得た。台湾史上最大規模の共同ドキュメンタリー・プロジェクトである。

 

『太陽花(ひまわり)占拠』

 

[会場]山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー試写室
[料金]鑑賞会員無料(入会金・年会費無料)
[主催]認定NPO法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭
[問い合わせ]電話:023-666-4480 e-mail:info@yidff.jp