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8月24日の金曜上映会+やまがた市民映画学校〈柳澤壽男と福祉映画〉

2018.08.23

8月24日の金曜上映会+やまがた市民映画学校〈柳澤壽男と福祉映画〉

障害者と健常者が共生できる社会をめざし、模索し、差別と闘い続けた映画監督がいた!

松竹のチャンバラ映画で映画の道に入り、文化映画、PR映画等の制作を長年手がけ、50歳を過ぎて独立、83歳で亡くなるまで福祉の映画を作り続けた監督がいました。その人こそ映画監督柳澤壽男です。常に、障害者と健常者が共生できる社会をめざし、模索し、差別と闘い続けた人でもあります。

「福祉というのは、自発的意思を尊重することが出発点」が持論で、今でこそ一般的になったコミュニティ・ケア(地域福祉)という考え方が社会に根付く前から、障害者の意見をきき、それを作品に反映させた映画作りが魅力です。福祉5部作と呼ばれる作品群の中から、そんな監督の思いが特に結実したのが、今回上映する作品です。愛知県の療育グループの人たちが、親や指導員と共に共同作業所を作ってゆく姿をいきいきと描いています。

今回は、グラフィックデザイナー、ブックデザイナーであり映画評論でも活躍されている鈴木一誌さんをトーク・ゲストに迎え、柳澤作品の魅力について大いに語っていただきます。

今年2月、ドキュメンタリー作家柳澤壽男監督の全貌を網羅した本『そっちやない、こっちや』が出版されました。題字は昨年の映画祭が縁で、山形市内の福祉施設「わたしの会社」の利用者の女性が書いたものです。今回のトークでは、その経緯などについても語っていただく予定です。お楽しみに!

『そっちやない、こっちや コミュニティケアへの道』
15:00- 18:50-(2回上映)

トーク:鈴木一誌さん
17:15-(1回のみ)

 

『そっちやない、こっちや コミュニティケアへの道』

山形国際ドキュメンタリー映画祭 ’97
特集プログラム「日本ドキュメンタリー映画の模索」上映作品

監督:柳澤壽男/1982/113分

作品紹介:

愛知県知多市の療育グループの記録。障害者や親たちの交流、グループが一体となって作業所「ポパイの家」を作り上げていく様子などを通じて、障害者にとってのコミュニティケアとは何かを考察していく。「撮りながら考え、考えながら撮る」原則のもと2年の歳月をかけて制作。山路ふみ子文化財団福祉映画賞受賞。

 

柳澤壽男(やなぎさわ ひさお)

1916年群馬県生まれ。松竹京都で劇映画演出を志すが『小林一茶』(1941年/亀井文夫)に感銘を受け、記録映画に転身、日本映画社、岩波映画などで多数のPR映画、ニュース映画を手掛ける。だが企業の宣伝活動を助けることに疑問を感じ、50歳を過ぎて独立、以後は障害者の生活とその苦悩を通して人間が自由に生きることとは何かを問う5作品を発表した。晩年は看護婦をテーマとした新作に取り組んでいたが、1999年6月16日、83歳にて急逝。当映画祭には1989年の第1回より参加、1993年にはアジア・プログラムの審査員を務めていただくなど、深い関わりがあった。尊敬する映画監督に亀井文夫、土本典昭、小川紳介の名前をあげている。

 

[会場]山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー試写室
[料金]鑑賞会員無料(入会金・年会費無料)
[主催]認定NPO法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭
[問い合わせ]電話:023-666-4480 e-mail:info@yidff.jp

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