【レポート】ドキュメンタリー映画を体感してみませんか?〜高校生による上映会〜

学生ボランティアチーム<ドキュ山ユース>有志による初めての自主上映会が大盛況のうちに終了しました!

ということで今回は、当日お手伝いにきてくれた映画祭事務局インターンの横山絢大くん(東北公益文科大学1年生)に、盛り上がりの様子をレポートしてもらいます!

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2月12日(月・祝)山形市民会館小ホールにて、ドキュメンタリー映画の魅力を同世代に知ってもらうという趣旨のもと、映画祭ボランティアチーム<ドキュ山ユース>手作りの自主上映会が開催されました。

「同世代の若者に観てほしい」という想いで高校生が選んだのは、次の2作品です。

『あまねき調べ』インド/2017/83分
監督: アヌシュカ・ミーナークシ、イーシュワル・シュリクマール
YIDFF 2017 アジア千波万波 奨励賞、日本映画監督協会賞

『乱世備忘ー僕らの雨傘運動』香港/2016/128分
監督: 陳梓桓(チャン・ジーウン)
YIDFF 2017 アジア千波万波 小川紳介賞

それでは早速、当日の流れを振り返ってみましょう!

8:00 会場設営開始

ミーティングを足早に済ませ、会場設営に取り掛かる!

 

前日から大雪の降った山形市。客足への影響が心配されたが…

 

ユースたちを応援しようとかけつけてくれた大学生たち(頼もしい!)

 

まもなく開場! お客さんの誘導や進行についてユースのメンバーが指示を出してくれました

9:30 開場

開場時刻となると、1人、また1人と上映会を楽しみにされていた方々が特設のシアターへと入っていきました。

ロビーにもお客さんが

10:00 『あまねき調べ』上映

ドキュ山ユースによる挨拶の後、いよいよ上映のスタート!

谷という谷に農民たちの歌が響き渡る(『あまねき調べ』)

その地に住む農民にとって歌は、悲しい時、嬉しい時、怒っている時など生きていくどの場面でも欠かすことのできないものであることを知りました。

13:00 「映像文化創造都市山形について」プレゼンテーション

お昼休憩を挟んで、第二部がスタート。

堂々たるプレゼンテーションを披露した長澤くんは、なんと高校一年生!

13:20 チャン・ジーウン監督舞台挨拶

ドキュ山ユースの上映会のために香港から駆けつけてくれたチャン・ジーウン監督

13:30 『乱世備忘ー僕らの雨傘運動』上映

民主的な選挙を求める香港の学生運動を描いた『乱世備忘ー僕らの雨傘運動』

自らの主張を行動で自らの言葉で他の人に伝えようと努力して、報われない結果だとしても変えてやるという心持ちで必死に生きている若者が描かれていてとても考えさせられる映画でした。

16:00 パネルディスカッション・質疑応答

作品やドキュメンタリー映画を作り始めたきっかけを訪ねるユース
どんな質問にも丁寧に答えてくれました
客席からの質問を読み上げる菊地くん(黄色い傘の形をした質問用紙をホワイトボードに貼り出しました)

16:40 意見交流

映画を見て思ったことについて、みんなで共有して、話し合ったことを発表。

 

大人も高校生も同じ目線で対話
なんと監督も参加!

17:00 閉会の挨拶

お客さんも監督もまだまだ話し足りない様子でしたが、残念ながら終了の時間。
グループごとに話し合った内容をまとめて発表し、大盛り上がりの意見交換はこれにて終了です。

 

閉会の挨拶をするユース7人
観客のみなさんと記念撮影
ユースとスタッフで監督を囲んで

その後会場内の片付けをすませ、打ち上げの会場へ

ようやく緊張がほぐれ、打ち上げは大盛り上がり。英語でのおしゃべりにも挑戦!

感想

2月12日は高校生による自主上映会にボランティアとして参加させて頂きました。前日から降り続いた雪で電車が止まるなど影響がありお客様に足を運んで頂けるか心配されましたが、『あまねき調べ』と『乱世備忘―僕らの雨傘運動』で延べ120人を超える観客を動員することが出来ました。
この上映会は昨年行われた山形国際ドキュメンタリー映画祭2017にボランティアとして参加した高校生たちが中心となり、「同世代の人にドキュメンタリー映画の魅力を知ってもらいたい」という想いから企画されました。私は会場の準備から後片付けと裏方の仕事に徹しましたが、上映中は1人の観客として映画を楽しむことができました。

とりわけ、強い想いを胸に秘めて闘う香港の学生を描いていた作品『乱世備忘―僕らの雨傘運動』が印象に残っています。それは、作品に登場している学生たちと歳が近いのもありますが、もし同じ状況に立たされたとして、自分も彼らのように自らの主張を行動で表すことができるかと考えさせられたからです。

アンケートによると、来場者の内訳は10代や20代の若者よりも上の世代の方の割合の方が多いという結果でした。上映会を広める手段としてポスターを貼ったり、SNSを活用してみたり様々取り組みましたが、たくさんの高校生を会場に呼び込むまでには至りませんでした。
定期的に高校生に対する上映会をしていくことを続けていくことで、それに携わった高校生やボランティアの学生から情報発信していくことで改善できるのではないかと考えました。
私自身ドキュメンタリー映画は中学生の頃に一度授業で見た覚えがあるのですが、その時は面白いとは感じられず、難しいというイメージがとても強く大人の映画だと思いました。
ですが、それから数年の月日が経ち見てみると前に感じることのなかった面白さが分かるようになっていました。ドキュメンタリーの面白さを感じることが出来ようになった今、もっと他の作品も見てみたいと思うようになりました。最初はどんな作品なんだとみていて思われるかもしれませんが、あなたに合う作品と巡り合うはずです。今はそんなに興味を持たれていない方でも気軽にドキュメンタリー映画を見てもらえると嬉しいです。

最後に、今回の上映会にご来場くださいました皆さまありがとうございました。見て面白いと感じられた方や他の作品も見たいと思われた方は、来年2019年に開催される映画祭にぜひお越し下さい。また、毎月第2、第4の金曜日に過去の映画祭の作品を上映しておりますので、フィルムライブラリーへお越しください。

文章:横山絢大(東北公益文科大学1年)
監修:山形映画祭事務局