「全国コミュニティシネマ会議 2018 in 山形」が開催されます

全国のミニシアターや自主上映団体などの映画上映者が一同に会し、情報交換と研究報告、交流を行う「全国コミュニティシネマ会議」。今年は山形市での開催になります。

 

2017年に山形市がユネスコの創造都市ネットワークに映画分野で加盟したことを受けまして、今回2回目の開催地となりました。

全国コミュニティシネマ会議 in 山形
●9月28日[金]

13:15〜13:45
開催上映:“ピアノ de シネマ”
サイレント映画の傑作『国士無双』と、懐かしい山形の映像を、柳下美恵さん(サイレント映画ピアニスト)の演奏付でお楽しみいただけます。

『国士無双』[デジタル復元版/英語字幕付]
1932年/伊丹万作監督/16分(※映写スピード1秒間24コマで上映)/35mm/国立映画アーカイブ所蔵
協力:国立映画アーカイブ

山形市広報フィルム『山形まつり昭和30年版』
抜粋4分/DVD

13:45〜15:45
やまがた創造都市国際会議2018

映像文化創造都市の可能性—“映画”が都市を魅力的にする
2017年10月、山形市は、ユネスコ創造都市ネットワーク・映画分野に日本で初となる加盟を果たしました。山形市はどのような“映像文化創造都市”を目指しているのでしょう。映像文化でまちづくりを行う英国・ブラッドフォード、韓国・釜山市の事例を聞きながら、“映像文化創造都市”の可能性を探ります。

佐藤孝弘(山形市長) 日本・山形市
人口約25万人。山形市では、古くから映像文化をはじめとした多彩な文化や芸術が育まれてきました。長年、市民が様々な面で映画に深くかかわってきた歴史や背景に加え、2019年に30周年を迎える山形国際ドキュメンタリー映画祭や、山形国際ムービーフェスティバル、フィルムコミッション、アート系大学、プロオーケストラ、伝統工芸、食文化など、多様な文化遺産が育まれています。ユネスコ創造都市ネットワークへの加盟を契機に、文化の力においても産業・観光・教育などの振興や、交流人口の増加も図りながら魅力ある街づくりを目指しています。

デヴィッド・ウィルソン(ブラッドフォード創造都市ディレクター) 英国・ブラッドフォード市
イングランド北部・ウェスト・ヨークシャー州にある都市。人口は約52万人。ブラッドフォードは、2009年に世界で初めて、ユネスコ創造都市ネットワーク・映画分野で認定を受けた都市です。イギリスの映画・テレビの主要ロケ地になることも多く、市内には「国立メディア博物館」があり、「ブラッドフォード国際映画祭」「ブラッドフォード・アニメーション映画祭」が開催されるほか、自主上映団体の活動も盛んに行われています。小中学生の映画教育にも力を入れており、ブラッドフォード大学等には映画の専門職を育成する授業もあります。子どもから高齢者まで、様々な世代の人が映画に親しむ機会を提供しています。

キム・ヒョンス(プサン・コーナーシアター代表) 韓国・釜山(プサン)市
韓国南東部に位置する、首都ソウルに次ぐ韓国第二の都市。人口は約345万人。釜山は、韓国で初めて映画が上映された都市。アジア最大の映画祭である釜山国際映画祭の成功を受けて2011年には映画振興の拠点「映画の殿堂(釜山映画センター)」がオープンしました。釜山は、韓国の映像クリエイティブ産業の中心であり、映像振興に関わる様々な企業、機能、組織が釜山に拠点を移しています。国際的な、大規模な事業を展開するだけでなく、市民に向けても、あらゆる世代の多様なコミュニティに属する市民が映画に関する活動に参加できるような様々な事業を実施しています。

ユネスコ創造都市ネットワーク(UNESCO Creative Cities Network)
ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)は、文化の多様性を保持するとともに、世界各国の文化産業が潜在的に有している可能性を都市間の戦略的連携により最大限に発揮させるための枠組みとして、2004年より「創造都市ネットワーク」事業を開始。工芸、デザイン、映画、食、文学、音楽、メディアアートの7つの分野で創造都市を認定し、相互の交流を推進しています。山形市は、2017年10月に、日本で初となる映画分野で創造都市の認定を受けています。

16:00-17:45
プレゼンテーション+ディスカッション
映画上映の現在と未来―映画配信時代の上映
2013年から本格稼働した映画配信は、わずか5年でレンタルビデオ市場と肩を並べ、来年度には全国興行収入を超えると言われています。地域格差なしに、月額1000円弱で数万タイトルを、自宅のTVリモコン操作で鑑賞できる、映画ファンには理想的なアーカイブの環境が整えられ、映画製作にも本格的に参入する配信サービスは、今後、映画館、公共上映、映画祭にどんな影響を与えるのでしょう。海外の現状や現在の上映活動の現状を聞き、配信時代の上映について考えます。
プレゼンテーション|データでみる地域の映画環境(コミュニティシネマセンター)
ディスカッション|
梶原俊幸(横浜シネマ・ジャック&ベティ)、三宅洋一郎(野村総合研究所上級コンサルタント)、矢田部吉彦(東京国際映画祭プログラミング・ディレクター) /司会:堀越謙三(ユーロスペース代表)

18:00-18:45
プレゼンテーションマラソン in 山形
ドキュ山ユース(山形国際ドキュメンタリー映画祭/高校生)、山形国際ムービーフェスティバル/MOVIE ONやまがた、フォーラム山形/山形県映画センター、鶴岡まちなかキネマ、山形大学映像文化研究所、米沢伴淳映画祭、山形市創造都市推進協議会、福島県南相馬市「朝日座」、山の恵みの映画たち ほか

19:00-20:45
レセプション

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9月29日(土)

10:00-12:00
分科会
①地域の映像アーカイブとその活用について[定員:30人]
東日本大震災から7年半が経ちました。この大きな災害は、私たちに映像を遺すことの大切さ、映像アーカイブの重要性を改めて認識させました。“アーカイブ”に対する関心は年々高まりを見せています。山形市の「311ドキュメンタリーフィルム・アーカイブ」、せんだいメディアテークの「3がつ11にちをわすれないためにセンター」の活動を聞き、地域映像アーカイブについて考え、上映者としてどのような活用ができるのかを考えます。
石原香絵(NPO法人映画保存協会(FPS))、坂本英紀(NPO法人20世紀アーカイブ仙台)、田中千秋(せんだいメディアテーク)、畑あゆみ(山形国際ドキュメンタリー映画祭)、小川直人(せんだいメディアテーク)[司会]

②Fシネマで行こう!―フィルムの上映を企画しよう!(Fシネマ・プロジェクト)[定員:30人]
フィルムの映写機はあるのにほとんど使っていない、せっかくフィルム上映をしてもなかなかお客さんが集まらない、映画祭でフィルム上映をやりたいけどどうすればいいの?…そんな人たちの悩みに応える分科会です。大きな映写機がカタカタ回るフィルム上映は楽しいものです。フィルムでしか上映できない魅力的な映画もたくさんあります。「Fシネマ」で上映会を盛り上げましょう!
田井肇 (大分・シネマ5)、杉原永純(山口情報芸術センター)、柳下美恵(サイレント映画ピアニスト)、鈴木直巳(鈴木映画)、岩崎ゆう子(コミュニティシネマセンター)

③若年層の観客を開拓する―大学生・高校生と映画館[定員:30人]
「観客の高齢化」、「若い人がこない」……地域の映画館、映画祭、上映者が抱える最も大きな課題のひとつが、“若年層の観客開拓”です。そんな中、授業の一貫として映画館で上映会を実施する大学が少しずつ増えています。シネコンしか知らない、行かないという若者たちに、地域の映画館や上映会の魅力、面白さ、多様な映画をみる楽しさを伝えるためには何が必要なのか、真剣に考えてみましょう。
古賀太 (日本大学芸術学部)、遠藤徹+ドキュ山ユース(山形国際ドキュメンタリー映画祭)、上田真之(早稲田松竹)、土田環(早稲田大学基幹理工学部)[司会]

④劇場の運営効率化を現場レベルで考えよう![定員:30人]
近年、映画館の上映作品は飛躍的に増えており、1スクリーンで年間100本以上を上映するのはごく当たり前になっています。上映本数は増えても劇場を運営するスタッフは増やせない…。「映画」を取り巻く大きな渦の中で、映画館の現場ではどんなことが起きているのでしょう。どうすれば、個々の作品の広報宣伝を丁寧に行う時間を生み出せるのでしょう。チケットの発券システムや売り上げの管理、勤怠管理等々、いろいろな映画館が実践している運営方法を共有し、よりよい「何か」を見つけましょう。
吉田由利香 (京都みなみ会館)、林未来(元町映画館)

④上映初心者のための分科会~上映会企画ワークショップ[定員:15人]
映画を上映したい、映画で人を集めたい、映画でイベントを盛り上げたい、映画で雰囲気を作りたい…!
上映会を企画・実施するためには、作品の選定、配給会社との交渉、会場確保、上映機材(映写スタッフ)の準備、予算の作成(助成金の申請)、広報宣伝等々、様々な作業が必要です。この分科会では、参加者は事前に上映企画について簡単なワークシートを提出し、ワークショップ当日には、その講評を受けるとともに、上映会実施に向けた基本的な流れ、上映会を成功させるために必要なことを学びます。
宮沢啓 (山形県映画センター)、小川茉侑(コミュニティシネマセンター)

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開催記念上映会[Fシネマ・プロジェクト]
会場:フォーラム山形 シアター5

今年4月5日に亡くなった高畑勲監督は、山形市を舞台に『おもひでぽろぽろ』を撮りました。高畑勲が宮沢賢治の原作をもとに、スタッフとともに5年の歳月をかけて作り上げた音楽映画『セロ弾きのゴーシュ』を35ミリフィムルで上映します。また、『よみがえりのレシピ』『おだやかな革命』など山形でドキュメンタリー映画を撮り続ける渡辺智史監督が、酒田市の伝説のバーテンダーを追った最新作『YUKIGUNI』をプレミア上映します。

14:30-16:00 セロ弾きのゴーシュ *チェロ・ミニコンサート付
1982年/監督:高畑勲/63分/35ミリ
高畑勲が宮沢賢治の原作をもとに、スタッフとともに5年の歳月をかけて作り上げた音楽映画。35ミリフィルムで上映!
あわせて、現在山形交響楽団チェロ奏者として活躍するチェリスト久良木夏海さんのミニコンサートも。

16:30-18:30 YUKIGUNI *プレミア上映₊渡辺智史監督挨拶
2018年/監督:渡辺智史/ビデオ/87分/英語字幕付 撮影:佐藤広一 ナレーター:小林薫
伝説のカクテル「雪国」の創作者 井山計一。92歳・生涯現役バーテンダー人生を見つめたドキュメンタリー。

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全国コミュニティシネマ会議2018 in 山形
開催日:2018年9月28日[金]、9月29日[土]
会 場:
9月28日 山形グランドホテル サンリヴァホール
9月29日 山形市総合福祉センター
参加費:
会議 1,500円
*コミュニティシネマセンター会員は会議のみ参加は無料(1団体1名)
*9月28日、29日共に参加可。一部のみの参加も同じ
*山形市在住者(在勤・在学含)は、9月28日会議のみ参加無料

レセプション 3,500円
映画上映 1プログラム1,000円

 

 

お問い合わせ:
コミュニティシネマセンター TEL:050-3535-1573 e-mail:film@jc3.jp

主催:
文化庁委託事業 平成30年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業
一般社団法人コミュニティシネマセンター
全国コミュニティシネマ会議2018山形実行委員会
山形市創造都市推進協議会(やまがた創造都市国際会議2018)
協力:山形市、認定NPO[法人山形国際ドキュメンタリー映画祭